2007.12.28

酔いどれ詩人になる前に

監督:ベント・ハーメル 出演:マット・ディロン、リリ・テイラー、マリサ・トメイ

私の本棚にも何冊か並ぶチャールズ・ブコウスキー。アウトサイダーであり続けたこの作家の自伝的映画で、彼がまだ作家になる前の「自称作家」時代の物語。

酒に女に競馬におぼれ、仕事は続かず終いには住む部屋さえもなくしてしまうチナスキーだけど、それでも救いがあるのは、この男が「書く」ということをやめないから。
あふれ出てくる言葉を常に書き続け、作品を投稿し続ける。
主人公チナスキーを演じるマット・ディロンが、まさにハマリ役。
うだつのあがらない自称作家を奇跡的素晴らしさで演じてる。
「ドラッグストア・カウボーイ」の彼はすごくよかったのに、あれ以来いまいち役に恵まれてない感があったんだけど、このチナスキー役はぴったりだった。

どん底にいても、最低な生活をしてても、夢をあきらめないってのはやっぱり強い。

2007.12.21

マッチポイント

監督:ウディ・アレン 出演:ジョナサン・リス・メイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン

ウディ・アレンといえばいつもニューヨークを舞台に映画を撮る監督だけど、今作はロンドンが舞台のサスペンス。
スカーレット・ヨハンソンの色気とファムファタルっぷりがいっぱい出るのかと思いきや、そうでもなかった。

2007.12.19

蛇イチゴ

監督・脚本:西川美和 出演:宮迫博之、つみきみほ、平泉成、大谷直子

「ゆれる」の西川美和監督の初監督作品。ある家族を描いたブラックコメディな映画。
祖父の死をきっかけにどんどん崩れていく家族の元に、勘当されていた兄が戻ってきて、なんとなく家族も再生しそうなかんじになっていく。
生真面目な妹と正反対のインチキ丸出しの兄を演じる宮迫がうまかった。

2007.12.15

ピアニスト

監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ 出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル

中年のピアニストの女性と、若く美しい青年のロマンスと思ってみたら大ケガをする映画。
これも友人がオススメしていて、またも予備知識なしでDVD を借りた。
ジャケットのチラ見から冒頭に書いたような内容を想像していたら、とてもそんな甘ったるいもんじゃなかった。
感想とか文にしづらいなあ。

なんかもう、主人公がイタすぎるし、ピアニストってタイトルは全く関係ないかんじだし、ラストなんて観てる方はぽーんと放り出された感じで、ううーん。なかなか強烈な。

主演のイザベル・ユペールがすごい。カンヌで主演女優賞とったらしい。青年役のブノワ・マジメルも主演男優賞とって、作品自体もグランプリだって。
でも、この映画にグランプリを与えるカンヌもなかなかすごい。

2007.12.14

リトル・ミス・サンシャイン

監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファレス 出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット

友人のススメで何の情報もないままDVDを借りて観たら、好きだー、この映画!という結果に。
タイトルとジャケットなどから、小さい女の子が主役のコメディタッチのストーリーを想像していたら、オフビートな家族もののロードムーヴィーで予想以上に面白かった。

勝ち組負け組の理論をかざしながら自分が負け組になってしまう父、ヘロインをやってるところをみつかり老人ホームを追い出された祖父、航空隊に入るまで口をきかないことに決めた息子、そこに、恋人にふられて自殺未遂をはかったゲイの叔父がやってくる。
変わり者だらけでぎすぎすした家族間をなんとかまとめようとする母。そして、まだ幼い娘のオリーブがミス・リトル・サンシャインというミスコンの子供版に入選してカリフォルニアの決勝大会に家族みんなでいくことになる。
この珍道中で家族の絆が少しずつ深まってくんだけど、よくある感動ストーリーとは違う、ブラックな小ネタをちりばめながら、ラストはステキに終わるという幸せな映画。

2007.12.9

めがね

監督:荻上直子 出演:小林聡美、もたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮

南の島でたそがれる。きれいな海を見ながら、たそがれる映画。
主人公の小林聡美は最初のうち、なかなかうまく黄昏れられないんだけど、ああ、自分はたそがれるの得意だなあってつくづく思った。

民宿ハマダに集った人々の、特に何かあるわけでもないんだけど、ちょっとしたステキ時間をそこで過ごすというお話。
「かもめ食堂」のスタッフが作った映画で、前作もそうだったけど、今回も食べ物がすごくおいしそう。
シンプルなんだけど、すごくおいしそうな民宿ハマダの料理。サクラさんのかき氷も沖縄のぜんざいみたいなやつで、おいしそうだった。

それにしても、もたいまさこ。彼女が出てくるだけで笑える。
「やっぱり猫が好き」のころから、小林聡美ともたいまさこが好きなんだけど、この二人が共演ってだけでとりあえず観たくなる。
ちょうど忙しかった時期に観たので、ほげ〜っと脱力できた。そして、海辺でおもいっきりたそがれたくなった。

2007.12.1

椿三十郎

監督:森田芳光 脚本:菊島隆三、小国英雄、黒沢明 出演:織田裕二、松山ケンイチ、豊川悦司

予想以上に面白かった。エンターテイメント作品として最初から最後までいいテンポで楽しめた。
黒沢明の傑作をリメイクしたもので、脚本は同じ物を使い、あくまで現代に通じるヒーローとして森田版の演出をしたらしい。

織田裕二、観る前はどうなのかな?って思っていたけど、織田三十郎、なかなか良かった。
宿敵役の豊川悦司が、役者のタイプとしても織田裕二とは正反対な感じなので、いい対比になってた。

ラストシーンの三十郎と室戸の対決で、黒沢版では有名な血しぶきのシーン、森田版ではかなり悩んだ末、違う演出になったと聞いてて、どんな対決シーンなのか楽しみだった。
観てみて、なるほど、確かに森田版ならこの方がいいだろうなって思った。
ちなみに、脚本でこの対決シーンの部分は「ここから先の二人の対決はとても筆では書けない」ってなってたらしい。

松山ケンイチ、佐々木蔵之介、中村玉緒などがコミカルな演技でいい味出していた。
オリジナルの黒沢版を観てないので、そっちも観てみようと思う。